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脂質とはどんな働きがあるのか〜多い食べ物や摂取量もわかりやすく解説〜

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脂質とはどんな働きがあるのか〜多い食べ物や摂取量もわかりやすく解説〜

当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

脂質というとダイエットの敵といったイメージを持つ方が、多いのではないでしょうか?

たしかに脂質は摂りすぎると、太る可能性はあります。ところが脂質が不足しても、健康によくない影響があるのです。

そこで今回は脂質の働きについて、わかりやすく解説いたします。脂質の多い食べ物や摂取量の目安もお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

脂質とは

脂質とは炭水化物・たんぱく質と並ぶ三大栄養素の1つで、体を動かすために必要なエネルギー源です。

炭水化物やたんぱく質と比べて100gあたりのエネルギー(カロリー)がとても多いことから、効率のよいエネルギー源といわれています。

 

【三大栄養素のカロリー(100gあたり)】

栄養素名 カロリー
炭水化物 400kcal
たんぱく質 400kcal
脂質 900kcal

 

さらに脂質は、

・必須脂肪酸の摂取源
・細胞膜の構成成分
・生理活性物質の生成
・脂溶性ビタミンの吸収率を上げる

 

といった働きもあります。

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種類について

種類について

脂質は、脂肪酸とアルコール・リン酸・糖質などが結びついたものや、それらを加水分解してできたものです。

脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸はバターや動物性油脂などに多く含まれ、不飽和脂肪酸は魚油や植物性油脂に多いです。

ちなみに最近よく耳にするトランス脂肪酸も脂肪酸の1つで、自然に存在するものとマーガリンやファットスプレッド、ショートニングといった油脂を加工する過程で発生するものがあります。

実はトランス脂肪酸を摂りすぎるとLDL(悪玉)コレステロールが増え、動脈硬化の進行や心筋梗塞のリスクが高まるといった報告があります。ただしこれは脂質摂取量の多い欧米人を対象とした研究であり、脂質摂取量の少ない日本人にも影響があるかはわかりません。

つまり大切なのは、トランス脂肪酸に限らず脂質は適量摂ることだといえるでしょう。

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良質な脂質って何?

脂質の構成成分である脂肪酸の中で、不飽和脂肪酸は良質だといわれます。

なぜなら不飽和脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸を含むうえに、コレステロールを減らすといった健康に役立つ働きがあるからです。

不飽和脂肪酸は青魚やナッツ、オリーブオイルなどに多く含まれます。

ただし、いくら良質とはいえ脂質の摂りすぎは健康によくありません。大切なのは脂質の摂取は適量を守りつつ、不飽和脂肪酸の割合を増やすことなのです。

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脂質を摂りすぎると肥満になるのか

脂質は摂りすぎると、肥満につながる可能性があります。

なぜなら摂りすぎた脂質は中性脂肪として、体に蓄えられるからです。

さらに脂質を摂りすぎると肥満になる以外に、

・動脈硬化の進行
・心筋梗塞などのリスク上昇

 

といった影響が考えられます。

また飽和脂肪酸の摂りすぎは、脂質異常症を引き起こすことがあります。飽和脂肪酸は肉・バター・生クリームなどに多く含まれるので、適度に摂るよう心がけましょう。

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不足するとどうなるの?

不足するとどうなるの?

脂質の摂取量が少なすぎると、

・摂取エネルギー不足
・発育不良
・脂溶性ビタミン欠乏

 

といったことが起こりえます。

脂質は摂りすぎても不足しても、健康によくありません。適量摂るよう心がけましょう。

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脂質の多い食べ物一覧

それでは、1食あたりに含まれる脂質が多い食べ物を紹介いたします。

【脂質の多い食べ物(1食あたり)】

食品名 1食あたりの量 1食あたりの量
牛バラ肉 60g 22.4g
豚バラ肉 60g 21.2g
鶏モモ肉 60g 8.1g
まぐろ刺身(トロ) 3切れ(30g) 14.1g
さんま 1尾(100g) 22.7g
さば 1切れ(100g) 16.8g
アーモンド 10g 5.2g
マカダミアナッツ 10g 5.0g
牛乳 1杯(200ml) 7.4g
マヨネーズ 大さじ1(12g) 8.7g
フレンチドレッシング 大さじ1(15g) 4.6g
バター 10g 7.5g
オリーブオイル 大さじ1(12g) 11.9g

 

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一日の摂取量

一日の摂取量

文部科学省の食事摂取基準2020によると、脂質の摂取量は総エネルギーに対して20~30%と定められています。下記の表は、身体活動レベル(※)「ふつう」の方の目安量です。

(※)活動量によって「低い」「ふつう」「高い」の3区分にわけられる

 

【一日の脂質摂取量の目安】

男性 女性
20代 59~88g 44~67g
30~40代 60~90g 46~68g
50~64歳 58~87g 43~65g
65~74歳 53~80g 41~62g
75歳以上 47~70g 37~55g

*身体活動レベル「ふつう」の場合

上記は目安量なので、実際の脂質摂取量の適量には個人差があります。

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脂質制限ダイエットの効果

脂質を減らす脂質制限ダイエットは、効果的といえるでしょう。

くり返しになりますが、脂質は効率のよいエネルギー源なので摂りすぎると太りやすいです。そのため、脂質の摂取量を減らせば簡単にカロリーを減らせるためダイエットに効果的と考えられるのです。

ただし極端な制限によって脂質が不足すると、健康によくありません。脂質制限ダイエット中であっても、脂質の摂取量は総エネルギーの20%より減らさないように注意してくださいね。

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脂質と糖質はどちらの方が太る?

脂質と糖質はどちらの方が太る?

冒頭でもお伝えしたとおり、同じ量の脂質と糖質を摂った場合で比べると100gあたりのカロリーが多い脂質の方が太ると考えられます。

しかし実際の太る原因は、摂取カロリーが消費カロリーより多い状態が続くことです。

つまり、脂質や糖質を摂ったからといって太るわけではなく、毎日脂質や糖質を摂りすぎて摂取カロリーが消費カロリーを超え続けたときに太るのです。

ダイエット中に大切なのは、自分にとって必要なエネルギー量の中でバランスよく食事を摂り、適度な運動で消費エネルギーを増やすことといえます。脂質も糖質も体にとって必要な栄養素なので、適量に摂って健康な生活を送りましょう。

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まとめ

以上、脂質は炭水化物・たんぱく質と並ぶ三大栄養素の1つで、効率のよいエネルギー源だとわかりました。

脂質は、摂りすぎても不足しても健康によくありません。ご自身の適量を把握して、適量を摂ることが大切です。

それでは当記事があなたの健康な生活のサポートになると、うれしいです。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
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参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット 1─3 脂質
消費者庁 脂質と脂肪酸のはなし
農林水産省 すぐにわかるトランス脂肪酸
J-STAGE 油脂 ・脂質 とは何か

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